今年の 3 月号(No.75)に亥の子餅の調進というタイトルで、毎年亥の月の亥の日に亥の子餅というお餅をつくり、東能勢から御所へ調進していたということを書きましたが、これは亥の子の日の大人たちの行事でした。子どもたちは、その日にもう一つの亥の子の行事を楽しんでいました。亥の子餅の調進の方はもう廃れましたが、子どもたちの亥の子行事は今も続いています。

今年の亥の月の亥の日は11月15日です。この日は、近在の子どもたちが当番の家に集まり、図のような亥の子突きをつくり、各家を回ってその年の豊作を祝い、その家のますますの繁栄を願うというものです。このようにして祝ってもらった家では、やってきた子どもたちに、お礼としていくらかのお金やお菓子を振舞います。子どもたちは、後でそれをみんなで分けるというものです。

このような亥の子の行事は、東能勢だけでなく西日本のほうでは広く一般的に行われています。言い伝えでは、毎年その年の収穫も終わった11月の中ごろになると、、春先に山から下りてきていた田の神が、豊作をもたらして再び山へ帰るのですが、来年もまた豊作になりますようにと、この神に感謝する祭りです。特に亥の日にこの祭りを行うのは、イノシシは一度に多くの子どもを生むので、それにあやかって来年も豊作になりますようにという願いが込められているといわれています。

本校の生徒たちも沢山この行事に参加すると聞いています。
(注)地域によってはその前の亥の日(11月3 日) に行うところもあるようです。